ADHD特性を活かした「自分に合った仕事の選び方」

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ADHDについて、さまざまなイメージがあったり誤解をしている人も多いかも知れませんが、実は多くのポテンシャルを秘めているのがADHD。

この記事では、ADHDの主な特性とそのポジティブな側面を掘り下げ、これらの特性がどのように仕事選びに影響するかを解説します。実例を通して、ADHD特性のキャリアへの活かし方を考察し、強みを活かした働き方をご紹介します。

目次

ADHDとは?

ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、「注意欠陥・多動性障害」とも呼ばれ、主に注意力の欠如、衝動性、過剰な活動性などを特徴とする神経発達障害です。

子供の頃に「落ち着きがない」「衝動的に行動してしまう」と悩む方が多いですが、大人になってからそのような特性が顕著になる方も増えてきています。

もちろん個人によって異なりますが、一般的なADHDの特性を以下にまとめました。

ADHDの主な特性

注意力の欠如:長期間にわたる集中が困難で、細かいミスをしやすく、指示に注意を払うのが難しいことがあります。

多動性:常に動いている必要があるかのように感じ、静かに座っていることが困難です。特に子供の場合は、じっとしているのが難しいことがあります。

衝動性:思慮深く行動する前に、衝動的に行動を起こす傾向があります。これは不適切なタイミングでの発言や行動につながることがあります。

ADHDの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や脳の特定領域の機能的な違いが関係していると考えられています。対策としては、行動療法、薬の処方、カウンセリングなどがあり、個々の症状やニーズに合わせて異なるアプローチが取られます。

まず知っておいて欲しいのが、ADHDを持つ人々も、適切なサポートと周りからの理解があれば、充実した生活を送ることができるということです。

ADHDのポジティブな側面

ADHDのこのような特性は、職場や対人関係での問題、自己管理の難しさなど、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。ただ、視点を変えると強みと捉えられる側面もあわせ持っているため、実際の業務で活かせるようなADHD特性のポイントをお伝えします。

新しい発想力:とても創造的でユニークなアイデアを思いつきやすいとされています。従来の考え方にとらわれず、新しい解決策やアプローチを見つけ出すことが得意です。

行動の速さと柔軟さ:直感に基づいて素早く決断することが得意であり、状況を迅速に判断し、即座に行動に移すことができます。また、 新しい状況や変化に対応する柔軟性を持ち、不確実性のある状況でも臨機応変に対応できることがあります。

興味があることへの熱意:自分が興味を持った分野に対して非常に熱心で、高い集中力を持って取り組む力が強いです。この特性により、特定の領域で顕著な成果を上げることができます。

ADHD特性に合った仕事の選び方とは?

では、実際にADHD特性の強みを活かした仕事は、どのようなものがあるのでしょうか。もちろん一人一人できることは異なりますが、一般的にADHDの方に適していると言われている業務をご紹介します。

ADHD特性を活かす仕事の特徴

創造的で変化がある業務:新しいアイデアを要求され、日々の業務内容に変化が多い職業は、ADHD特性を活かすことができます。具体的には、デザイン、マーケティング、イベント企画などがあげられます。

マルチタスクをこなす業務:ADHD特性をもつ方の多くは、複数のタスクを同時に処理する能力があります。具体的には、管理職、プロジェクトマネージャー、編集者など、多様な業務を一度に扱う仕事が適している可能性があります。

自分のペースでできる業務:自己管理がしやすく、自分のペースでできる業務は、ADHD特性を持つ人にとって理想的な環境です。具体的には、フリーランスや在宅ワーク、フレックスタイム制がある職場環境が適しています。

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ADHD特性の配慮事項

上記のようなADHD特性を活かす職業を見ると、未経験な分野であったりスキル不足を感じ、ハードルが高く感じてしまう方も少なくないと思います。ただ、職場環境の工夫や管理方法の工夫をすることで、あらゆる業務でも効果的に行うことができます。ここでは具体的な配慮事項の例をお伝えします。

集中できる環境:多動性や衝動性があるため、静かで集中しやすい場所の確保が必要になります。視覚的に妨げが少ない環境を作るために、整理整頓されたデスクやパーテーションの設置も重要とされており、さらにテレワークで業務を行うことは効果的です。

柔軟なスケジュールと短期目標設定:ADHD特性がある人々にとって、勤務時間が柔軟である方が効果的です。自分が最も集中できる時間帯に合わせて、柔軟に業務を行える環境が理想的です。また、短期的な目標や期限が明確でタスクが整理されている環境は、業務を進めやすくなります。短期目標設定と定期的なフィードバックにより、モチベーション維持と自己評価の向上にも繋がります。

ADHD特性を持つ当事者のテレワーク活用成功ストーリー

ここでは、ADHD特性を強みにして仕事選びで成功した方の事例をご紹介します。

◆30代女性(ADHD・パニック障害・双極性障害Ⅱ型)

注意力の欠如というADHDの特性上、オフィスの人の動きや音が気になって業務に集中できなかったり、二次障害で発症したパニック障害によって電車に乗れず、今まで長期就労ができなかった状態でした。
そこで、前職で完全在宅のデータ入力業務を行っていると、体調を崩さず3年間安定して勤務することができたので、集中できる環境さえあれば成果を出し続けられることが体感できました。
逆に過集中になる特性もあるため、タイマーをセットしてスケジュール管理の工夫もしています。ただ、前職ではキャリアアップ制度がなく収入面や正社員を目指していきたい意向があったため、転職活動を開始。
今では、安心して一緒に働きたいと思える人が沢山いる某SaaS系の会社へ転職し、年収も大幅にアップ。未経験のコーポレート業務でもチャレンジをしながら、現在業務を行うことができている。

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この事例からも分かるように、ADHD特性を持つ人は、適切な職場環境があれば興味を持っている分野で高い集中力とエネルギーを発揮することができます。

また、この事例から、ADHD特性を持つ人々が、適切な職業を見つけることで、自身の特性を活かしてキャリアアップすることが可能であるということが分かります。

重要なのは、まずは自身の特性を理解し、それを活かせる職業や環境を見つけることです。

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まとめ

ADHDといっても、注意力の欠如、多動性、衝動性と3つの特徴があり、またそれぞれが混在している方々も多いと思います。職場や対人関係で困難を感じることはあるかも知れませんが、自身の特性を理解し、強みを発揮できる職業に出会うと、上記の成功事例のようにキャリアアップができることが分かりました。

ADHDの主な特性と、それらが日常生活や職場でどのように影響を及ぼす可能性があるかを理解することから始め、まずは安心して働ける環境設定をしましょう。そのためにも、最も重要なのは、相手とコミュニケーションをとりながら、自身の特性を伝えることだと考えます。

自分自身の特性や適切な職業を選ぶことで、ADHD特性を持つ人々はその才能を十分に発揮し、充実したキャリアを築くことができます。

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