精神障害者手帳3級とは、精神疾患により日常生活に制約がある人を支える手帳です。「精神障害者手帳3級は意味ない」という意見もありますが、取得することで数多くのメリットを享受できます。
この記事では、精神障害者手帳3級の基礎知識やメリット・デメリット、精神障害者手帳3級の申請方法やよくある質問について解説していきます。「精神障害者手帳3級は意味ない」と思っている障害者の方や、取得するかどうか迷っている方にとってヒントになれば幸いです。
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精神障害者手帳3級とは?まず知っておきたい基礎情報

精神障害者手帳3級の取得について検討している方は、まずは以下の基礎情報を知っておくことが必要です。
・対象となる疾患
・判定基準
それぞれについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
対象となる疾患
精神障害者手帳3級は、初診から6か月以上経過し、日常生活に制約がある以下のような精神疾患が対象です。
・統合失調症
・気分障害(うつ病・双極性障害など)
・発達障害(ASD、ADHD、学習障害など)
・てんかん
・中毒精神病(アルコール・薬物依存など)
・高次脳機能障害
・非定型精神病
精神障害と知的障害が併存する場合、療育手帳も取得できます。
判定基準
精神障害者手帳3級は、日常生活や社会生活に制限があり、支援があればより安定して暮らせる場合に交付されます。具体例は以下のとおりです。
・外出や家事はできるが、環境変化に対応しにくい
・対人関係や社会活動にサポートが必要な場面がある
・強いストレス下では対処が難しくなることがある
これらを総合的に判断して判定されます。
精神障害者手帳3級がもたらす生活上のメリット

精神障害者手帳3級には、以下のようなメリットがあります。
・税制上の優遇措置が受けられる
・公共料金などの割引が適用される
・医療費助成で経済的な負担が軽減される
・障害者雇用枠に応募できる
・就労定着支援によるサポートを受けられる
それぞれについて、詳しく解説します。
1.税制上の優遇措置が受けられる
精神障害者手帳3級を持つと、所得税や住民税などの負担が軽減されます。主な優遇措置は以下のとおりです。
| 税目 | 優遇内容 |
|---|---|
| 所得税 | 27万円控除 |
| 住民税 | 26万円控除 |
| 相続税 | 85歳まで1年につき10万円控除 |
| 贈与税 | 3,000万円まで非課税 |
| 預貯金 | 350万円までの利子が非課税 |
これらにより課税所得が減り、納税額を抑えられます。
2.公共料金などの割引が適用される
精神障害者手帳3級により、日常生活に欠かせない公共料金などが割引されます。
| 項目 | 割引内容 |
|---|---|
| 公共交通機関 | 鉄道・バス運賃が割引 |
| タクシー | 事業者により割引 |
| NHK受信料 | 世帯条件により半額免除 |
| 携帯電話 | 障害者割引プランが適用 |
| 公共施設・レジャー施設 | 施設により割引料金が適用 |
移動や娯楽のハードルが下がり、社会参加がしやすくなります。
3.医療費助成で経済的な負担が軽減される
精神障害者手帳3級を持つと、以下のような医療費助成が受けられる点がメリットです。
・精神科・心療内科の通院費
・デイケア、訪問看護、薬代
・所得に応じた月額負担上限設定
・高額療養費制度による自己負担分払い戻し
・手帳申請時の診断書流用
これらにより長期治療に伴う費用負担が軽減され、治療を継続しやすくなります。
4.障害者雇用枠に応募できる
精神障害者手帳3級により、障害者雇用枠に応募できる点もメリットです。
一定規模以上の企業は、法定雇用率を満たすために障害者雇用枠を設けています。障害者雇用枠は、一般雇用より採用されやすいケースがあることに加え、通院のための休暇や勤務時間の調整といった合理的配慮を受けやすく、心理的負担が少ない点が特徴です。
5.就労定着支援によるサポートを受けられる
精神障害者手帳3級を取得すると、就職後に安定して働き続けるための就労定着支援を利用できます。主な支援先は、以下のとおりです。
・ハローワーク
・地域障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
・就労移行支援事業所
・障害者専門の転職・就職エージェント
就労定着支援を受けることで、職場環境に適応して長期的に働きやすくなります。
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「意味ない」と誤解されやすい精神障害者手帳3級の現実と注意点

精神障害者手帳3級は意味がないと誤解されやすいですが、取得することで不利益はありません。むしろ就労や生活支援の選択肢が広がります。
注意点として、申請や更新に必要な診断書取得に手間や費用がかかる点や、人事部など一部の社員に知られる可能性がある点が挙げられます。なお、不要になったら手帳の返還も可能です。
精神障害者手帳3級を申請するポイント

精神障害者手帳3級の概要やメリットを解説しましたが、実際に申請する際には以下のポイントを理解しておくことが必要です。
・交付されるまでのステップ
・申請で準備すべき書類
それぞれについて、詳しく解説します。
交付されるまでのステップ
精神障害者手帳3級が交付されるまでのステップは、以下のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 主治医に相談 | 現状を伝え診断書作成を依頼 |
| 2. 書類準備 | 申請に必要な書類を準備 |
| 3. 窓口で申請 | 市区町村の障害福祉課などに提出 |
| 4. 審査 | 都道府県等で審査 |
| 5. 交付 | 窓口にて手帳を受領 |
審査期間などを考慮し、余裕をもって申請しましょう。
申請で準備すべき書類
精神障害者手帳3級の申請で準備すべき主な書類は、以下のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 申請書 | 自治体サイトや窓口で入手 |
| 診断書 | 初診から6か月経過後3か月以内に作成 |
| 証明写真 | 申請日より1年以内 |
| マイナンバー書類 | マイナンバーカード・通知カードなど |
| 本人確認書類 | 運転免許証や健康保険証など |
自治体のサイトなどで、最新情報を確認しましょう。
精神障害者手帳3級に関するよくある質問

ここからは、精神障害者手帳3級に関する以下の質問に回答していきます。
・職場の人に知られてしまう?
・生命保険に入れなくなるって本当?
・障害年金を併せて請求できる?
精神障害者手帳3級を取得する参考になれば幸いです。
職場の人に知られてしまう?
精神障害者手帳3級を取得しても、自分から申告しない限り職場の人に知られることはありません。
障害者控除を受ける場合は、住民税控除の通知が職場に届くため、総務や人事など一部の人には知られる可能性があります。しかし、社員のプライバシーは個人情報保護法で守られており、ほかの社員に公表されることはありません。
生命保険に入れなくなるって本当?
精神障害者手帳3級は、生命保険への加入可否に直接影響することはありません。
生命保険の審査では、現在の健康状態や支払い能力などが重視されます。加入が困難になるのは、判断能力に問題がある場合や保険料の支払いが困難と判断された場合です。保険商品によって条件は異なるため、専門家に相談するとよいでしょう。
障害年金を併せて請求できる?
精神障害者手帳3級を持っていても、障害年金の請求は可能です。
ただし、それぞれ基準が異なるため、精神障害者手帳3級を取得していても障害年金が支給されるとは限りません。障害年金は、労働能力の制限や保険料納付状況などを総合的に審査するため、年金事務所や社会保険労務士に相談して手続きを進めると安心です。
精神障害者手帳3級を活かして働きたい方へ

精神障害者手帳3級を活かして働きたいと考えている方は、障害者雇用に特化してサポートしている転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントの支援を受けることで、自分の希望に合った職場を効率的に見つけることができます。
テレワークに特化した人材紹介サービス「FLEMEE」では、障害者雇用を積極的に進める企業を紹介するとともに、職務経歴書の書き方や面接対策なども対応可能です。
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まとめ
この記事では、精神障害者手帳3級の基礎知識やメリット・デメリットについてお伝えしました。精神障害者手帳3級は数多くのメリットがあるため、心の病を抱えている方にとっては取得を検討する価値があるでしょう。
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これらの情報が、障害者雇用として働きたいと考えている方にとって、少しでも悩みごとの解決につながれば幸いです。

