ADHDは注意欠如多動性障害とも呼ばれ、不注意や多動性、衝動性などを特徴とする神経発達症群の一つです。ADHDの特性により、仕事を見つけることが困難であったり、就職しても長く続けることが難しいと感じたりする方もいます。
この記事では、ADHDの特性を持つ方が、その特性を活かせる仕事や、自身に合った仕事の探し方について解説します。ADHDの特性による働きづらさや、仕事探しにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
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ADHDの特性と仕事の関係性

ADHD(注意欠如多動性障害)は、生まれつきの神経発達症群の一つで、大人になってから発覚するケースも少なくありません。
主な特性は、以下の3つです。
不注意: 集中力維持が困難で、退屈な作業や反復作業が苦手
多動性: 落ち着きがなく、集中するのが苦手
衝動性: 衝動的な行動が多く、先の見通しや我慢が苦手
これらの特性は人によって異なるため、すべてが当てはまるわけではありません。
ADHDの特性によって仕事ができないと悩んでいる方もいるかもしれませんが、自身の特性を理解し、工夫や環境を調整することで活躍できるでしょう。自分に合った仕事を見つけるためには、まずご自身の特性を把握することが重要です。
仕事の強みになるADHDの特性

ADHDの特性は、仕事で不利に働くばかりではありません。ご自身の特性と上手に向き合うことで、仕事上の強みに変え、本来の能力を活かして活躍することも可能です。
ここでは、仕事の強みになるADHDの特性について詳しく紹介します。
1.行動力がある
ADHDの方は、多動性・衝動性から高い行動力を持ち、変化の多い現代において貴重な特性です。熟考不足は課題ですが、適切なブレーキ役となる人物と組めば、この行動力が仕事のアクセルとなり、好機を得られます。
また、決断力がある点もADHDの方の長所であり、その行動力と決断力から、仕事ができると評価される方も多いです。
2.創造力が豊か
ADHDの方は、静かにしていてもさまざまなことに思考を巡らせている傾向があります。そのため、注意が散漫になりやすい点が特徴です。
一方、創造性が豊かで、次々と新しいアイデアを生み出す才能を持っています。特にクリエイティブな分野では、このADHDの特性を活かしている方も多くみられます。
3.興味のある分野なら没頭できる人もいる
ADHDの特性である「過集中」は、興味のあるものに非常に高い集中力を発揮する状態です。集中力を維持しにくいために起こる「不注意」によるミスの多さもADHDの特性ですが、自分が関心を持てる事柄には深く集中できる人も多くいます。
そのため、仕事内容や働く環境が合えば、ADHDの特性を存分に活かして活躍できるでしょう。
ADHDを持つ方に向いている仕事4つ

自身の特性を理解すると、その特性を活かせる仕事が見つけやすくなります。ここでは、ADHDの特性を持つ方々が、それぞれの能力を発揮し、活躍できる可能性のある仕事について紹介します。
1.営業職
ADHDの多動性や衝動性は、営業職で強みとなり得ます。積極的に顧客へアプローチし、ビジネスチャンスをつかめるからです。時には、周囲が躊躇する場面でも、思い切った行動が好機を生み出す場合もあるでしょう。
ただし、営業職はマルチタスクが多いため、新規ではなくルート営業を選んだり、顧客情報をこまめに整理したりするなど、自身の特性に合わせた対策が必要です。
2.デザイナー
ADHDを持つ方は創造性が豊かで、新しいアイデアを生み出すことに長けています。
ADHDの方の創造性は、時に思いがけない発想へとつながることもあります。そのため、デザインの仕事に興味を持てれば、質の高い作品作りに貢献できるでしょう。ご自身のペースで働ける環境が整っていれば、活躍の幅は広がるはずです。
3.研究職
研究職は、ADHDの好奇心、没頭力、行動力を活かせる適職の一つです。特定の分野を深く探求する仕事なので、興味を持てれば徹底して没頭できるでしょう。
専門知識や資格が求められる場合もありますが、ADHDの特性を存分に活かせれば、既存の枠に囚われない独創的な発想で、新たな発見や発明につながる大きな成果を生み出すことも可能です。
4.プログラマー
プログラマーは、システムが正常に作動するようプログラミング言語を使ってコードを書き、プログラムを作成する仕事です。多岐にわたるコードを扱うため、興味を持てれば持ち前の集中力を発揮し、成果を出しやすいでしょう。
また、パソコンとインターネット環境があればどこでも仕事ができるので、リモートワークやフリーランスといった柔軟な働き方が可能です。
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ADHDの人が仕事で抱えやすい悩み

ADHDの特性は、仕事においてさまざまな「苦手」に直面する場合があります。定型発達の方にとって容易なことも、ADHDを持つ方には大きな困難となるケースもあるでしょう。
ここでは、ADHDの特性によって生じやすい仕事上の苦手なことについて解説します。
マルチタスクの作業が苦手
ADHDを持つ方は、優先順位付けやスケジュール管理が苦手で、複数の業務が重なると混乱しがちです。そのため、日常的にマルチタスクを求められる仕事は不向きと言われています。
一方、やるべきことの優先順位が明確な業務には集中して取り組めるため、事前にスケジュールを組んでおくことで対処できます。
ケアレスミスが多い
ADHDを持つ方は気が散りやすく、ケアレスミスが多くなりがちです。ミスをなくそうと意識しすぎると、かえって新たなミスにつながるケースも多いでしょう。特に細かい作業や確認が必要な仕事は苦手と感じる傾向があります。
ケアレスミスを防ぐには、チェックリストを作成し、確認作業を習慣化することが大切です。
ルーティンワークが苦手
ルーティンワークは単調であるものの、持続的な集中力が求められます。ADHDを持つ方は、興味のある事柄には高い集中力を発揮しますが、一度関心がそれるとやるべきことがおざなりになりがちです。
集中力維持には、マルチタスクを避け、一つのことに集中できる仕事や環境が重要です。加えて、やるべきことをリスト化すれば、項目ごとに区切りながら集中力を保てるでしょう。
ADHDの方が仕事探しをする際のポイント

ADHDの特性は、仕事探しにおいて特有の考慮が必要です。自身の特性を理解し、それを強みへと変えられる職場や業務内容の仕事を探すことが大切です。
ここでは、ADHDを持つ方が自分らしく活躍できる仕事を探すためのポイントを解説します。
ADHDの特性に関する職場の理解度を確認する
近年、障害者雇用に取り組む企業が増える一方で、ADHDの特性を十分に理解していない会社も存在します。
自身の特性を活かして働くためには、職場におけるADHDへの理解度を把握するのが重要です。研修制度や福利厚生の内容、障害者雇用の実績などを事前に確認するとよいでしょう。
一般採用と障害者採用どちらの枠で挑戦するか決める
一般採用枠は障害の有無にかかわらず応募でき、障害者採用枠は障害のある方のみが対象となる採用枠です。
それぞれのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
一般採用枠 | 求人数が多い、給料水準が高い | 障害への配慮が不十分な可能性がある、業務内容とのミスマッチが発生する可能性がある |
障害者採用枠 | 障害への配慮が受けられる、障害者就労支援機関の支援を受けられる | 求人数や職種が制限される、有期雇用の割合が高い |
メリット・デメリットを理解し、ご自身に適した採用枠を選びましょう。
就職支援機関を利用する
就職支援機関を利用することで、特性を活かした働き方を見つけやすくなります。
主な就職支援機関は、次の通りです。
- 公共職業安定所(ハローワーク):職業相談や職業紹介を行う公的機関
- 地域障害者職業センター:就職や職場適応を支援する専門機関
- 障害者就業・生活支援センター:就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う機関
- 転職エージェント:求職者と企業のマッチングや転職活動をサポートするサービス
就職支援機関をうまく活用して、自分らしく働ける環境を見つけましょう。
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まとめ

この記事では、ADHDの特性を活かせる仕事や、仕事探しをする際のポイントなどについて紹介しました。ご自身の特性を理解することで、その特性を活かせる仕事を見つけやすくなります。
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