発達障害のグレーゾーンとは?生活や仕事での困りごとや対処法を解説

発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の特性を持ちながらも、医師による診断を受けていない状態を指します。発達障害の診断を受けていなくても、その傾向があり、グレーゾーンの方に特有の悩みを抱えている場合が多いものです。

また、発達障害のグレーゾーンの方は周囲から頑張ればできるのではないかと思われやすく、努力不足と捉えられてしまうこともあり、生きづらさを感じやすい点も特徴です。

この記事では、発達障害のグレーゾーンについて、その特徴やよくある困りごと、適切な対処法について解説しています。発達障害のグレーゾーンによる特性で、生活や仕事に悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。

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目次

発達障害とは?

発達障害は、生まれつき脳の働きに偏りがあるため、日常生活や人間関係で困りごとが起きやすい状態です。アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5-TRでは、「神経発達症」と呼ばれています。

発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(SLD)などの種類があり、1種類だけの方もいれば、複数の発達障害を併せ持つ方もいます。そのため、症状や特性のあらわれ方は個人により異なるのも特徴です。

また、幼少期に診断される人もいれば、大人になってから気づく人もいます。

発達障害のグレーゾーンとは?特徴を解説

発達障害のグレーゾーンとは、「発達障害の特徴が見られるものの診断がついていない状態」です。正確な医学名や診断名ではなく、状態をあらわす概念として使われています。

発達障害のグレーゾーンは、障害の程度としては軽度です。明確に発達障害と診断もされていないため、周囲からは本人の甘えや努力不足と捉えられてしまう場合もあります。

このような点から本人にとって必要な支援が受けられなかったり、周囲の理解を得られなかったりするため、発達障害のグレーゾーン特有の生きづらさを抱えてしまいがちです。

発達障害のグレーゾーンで併存しやすい3つの障害

発達障害のグレーゾーンで併存しやすい発達障害の種類は、以下の3つです。

1.自閉スペクトラム症(ASD)
2.注意欠如多動症(ADHD)
3.限局性学習症(SLD)

それぞれ解説していきます。

1.自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症は、生まれつき脳の発達に偏りがあり、社会生活に困難が見られる障害です。

自閉スペクトラム症の方には、以下の特徴が見られます。

・強いこだわりがある
・興味が限定的である
・相手の気持ちや状況を読み取るのが苦手である
・特定の感覚に対して過敏または鈍麻である

上記のような特徴により対人関係がうまく築けないため、職場や学校に適応できず、社会生活を送るうえで困難を抱えることがあります。

2.注意欠如多動症(ADHD)

注意欠如多動症の特徴は、不注意・多動性・衝動性の3つです。不注意の特徴が多く見られる場合は、「不注意優勢型」、多動性や衝動性の特徴が多く見られる場合は、「多動・衝動性優勢型」と呼ばれます。両方を併せ持つ「混合型」の場合もあります。

注意欠如多動症によく見られる特徴は、以下の通りです。

・忘れ物が多い
・気が散りやすい
・じっとしていられない
・考える前に動いてしまう

注意欠如多動症の症状は、成長するにつれて目立たなくなる方も多いですが、大人になっても症状に悩まされる方もいます。

3.限局性学習症(SLD)

限局性学習障害は、全般的な知的発達の遅れはないものの、読む・書く・計算するといった特定の学習に困難が見られる障害です。

学習障害には、症状によって以下の種類に分けられます。

・読字障害(ディスレクシア)
・書字障害(ディスグラフィア)
・算数障害(ディスカリキュリア)

知的な遅れが見られないこともあり、障害だと気づかれずに、本人の怠けや勉強不足だと捉えられてしまいがちです。そのため、子どもの頃には見過ごされ、大人になってから障害であることに気づくケースも見られます。

発達障害グレーゾーンの方が抱えやすい悩み

発達障害のグレーゾーンの方は、発達障害の診断を受けるほどではないものの、発達障害の特性を持つため、「発達障害の傾向がある」と医師から説明を受けていることが多いものです。

発達障害のグレーゾーンの方の場合、症状の程度が軽度であるため、周囲からは「頑張ればできる」「努力不足」などと捉えられてしまうことが多いのも特徴です。そのため、以下のような場面で、グレーゾーン特有の悩みに直面する傾向があります。

・生活で直面しやすい悩み
・仕事で直面しやすい悩み

それぞれ解説していきます。

生活で直面しやすい悩み

発達障害のグレーゾーンの方には、以下のような特徴がよく見られます。

・片付けができない
・忘れ物が多い
・スケジュール管理が苦手
・目の前のことに没頭してほかのことを忘れてしまう

上記のような現象が起こる背景には、不注意や過集中などの発達障害の特性による影響があると考えられています。

約束を忘れてしまい守れなかったり、大切な書類を失くしたりするなど日常生活に支障が出るため、本人も家族も困っていることが多いものです。

また、相手の表情から感情を読み取るのが苦手であったり、思ったことをすぐに口にだして失言をしてしまい、人間関係に困難を抱えるケースもよく見られます。そのため、人との関わりに対する苦手意識が芽生え自信を失ってしまう方もいます。

仕事で直面しやすい悩み

発達障害のグレーゾーンの方は、仕事が長続きしない傾向にあります。その原因として、以下のような特性が見られる場合が多いです。

・じっと座って仕事ができない傾向がある
・曖昧な指示が理解できない傾向がある
・マルチタスクが苦手
・同じミスを何度も繰り返してしまう

苦手なことをしなければならない仕事に就くと、職場で繰り返し注意指摘を受けたり、強い叱責を受ける可能性もあります。これにより、ストレスを抱え体調不良になったり、転職を繰り返したりする方が多いのも特徴です。

特に不注意による重大なミスや顧客への失言などは、仕事上でトラブルに発展する恐れもあるため、担当から外されてしまったり、短期間で契約終了となってしまったりするケースも見受けられます。

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発達障害のグレーゾーンを抱える方の適切な対処法3つ

発達障害のグレーゾーンを抱える方の適切な対処法は、以下の3つです。

1.特性に合わせた対策をする
2.働き方を変える
3.サポート機関に相談する

1つずつ見ていきましょう。

1.特性に合わせた対策をする

障害の特性に合わせた対策をすると、障害の特性による悩みが軽減されます。

例えば、以下のような対策が考えられます。

発達障害の特性による悩み対策法
大切な用事を忘れたり、遅刻したりする・前日の夜に翌日のスケジュールを決めて、目に入る場所に貼る
・移動時間や準備の時間も予定に入れ、10〜20分くらい前に目的地につくようなスケジュールを立てる
・朝の時点で、次の行動を起こすタイミングすべての時間にタイマーをかける
片付けが苦手・持ち物を最小限に減らす
・物の置き場所を決める
・1か所ずつ片付ける
・どこから片付けたらよいかわからないときは、清掃業者や家族など人の力を借りる
職場でのコミュニケーションが苦手・挨拶やよくある場面でのコミュニケーションについて、パターン化して適切な振る舞いを覚える
・親しい人やカウンセラーから自分の言動についてフィードバックをもらい、改善する
・大事な内容については持ち帰り、上司や同僚に問題ないか確認してから連絡する
・チャットツールやメールを活用し、文字によるコミュニケーションを図る

このように、自分の特性に合わせた工夫をすることで生活や仕事で直面する悩みが軽減されるでしょう。

2.働き方を変える

仕事が長続きしないのは、自分に合っていない場合もあります。もし、自分に合わないと感じている場合には、以下の対処法を検討しましょう。

・職場の上司に相談し、部署を変えてもらう
・テレワークなど働きやすい環境や職種に転職する
・障害者雇用で配慮を受けながら働く

特に、発達障害の方で感覚過敏がある方は、テレワークは働きやすい環境と言えます。通勤の必要がなく、自宅で自分に合った刺激の少ない環境で働けるためです。

テレワークでは普段のやりとりがチャットツールなどを活用して行うことが増えるため、対人コミュニケーションが苦手な方にも快適さを感じる可能性が高いのも特徴です。

このように特性に対する配慮を受けるためには、障害者雇用という働き方が適しています。

3.サポート機関に相談する

発達障害のある方をサポートしてくれる機関に相談する方法もあります。発達障害について相談できる機関は、以下の3つです。

・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・障害者雇用専門の転職エージェント

発達障害者支援センターは、発達障害のある方やその家族の相談に応じてくれる機関です。日常生活や仕事に関する悩み相談に対応してくれます。

障害者就業・生活支援センターは、障害のある方全般の就業面・生活面を支援してくれる機関です。発達障害のグレーゾーンの方も利用できます。

配慮を受けながら働きたい場合には、障害者雇用専門の転職エージェントに相談するのも1つの方法です。専門の相談員があなたの特性に合った職場への転職をサポートしてくれます。

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まとめ

発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の特性が見られるものの診断がついていない状態の方を指します。そのため、生活面や仕事面で特有の悩みを抱えてしまいがちです。

まずは、自分の特性を把握したうえで、特性に合った工夫をしたり、働きやすい環境に整えたりすることで、悩みを軽減できます。テレワークは、通勤の必要がなく、自宅など自分にとって働きやすい環境で働けます。また、対人コミュニケーションがテキストベースとなるため、発達障害の特性を持つ方にとって働きやすい環境と言えるでしょう。

障害者雇用で配慮を受けながら、テレワーク可能な職場に転職したいと希望する場合は、テレワーク特化型転職エージェントの「FLEMEE」がおすすめです。この記事が発達障害のグレーゾーンならではの生きづらさを感じている方が働くためのヒントとなれば幸いです。

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