身体障害とは、身体に何らかの障害がある状態のこと。身体障害者手帳を持っていると、生活や就労を支援するサービスを利用できます。
この記事では、障害の種類や障害のある方が利用できる福祉サービス、就労を支援するサービスについて解説していきます。これから身体障害者手帳を取得したいと考えている方や、身体障害者手帳を持っていて就職・転職を考えている方が働くためのヒントになれば幸いです。
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身体障害とは?障害の種類も解説
身体障害とは、身体に何らかの障害がある状態のことです。具体的には、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害などが該当します。
身体障害者福祉法によると、身体障害者とは「別表に定める身体の機能に障害があり、身体障害者手帳を交付された18歳以上の方」と明記されています。
この別表に記載されている身体障害は、以下の5つです。
それぞれについて、詳しく解説します。
・肢体不自由
・視覚障害
・聴覚・または平衡機能の障害
・音声機能、言語機能またはそしゃく機能障害
・内部障害
肢体不自由
肢体不自由とは、上肢や下肢、体幹に欠損や機能障害があり、日常生活を送るのに支障がある状態です。肢体不自由になる主な原因には、先天的な機能障害、事故や病気による後天的な損傷などが挙げられます。
食事やトイレ、移動に支援が必要であったり、公共交通機関が利用しにくく外出が不便であったりするなど日常生活を送るのにさまざまな困難が見られます。
視覚障害
視覚障害とは、視力や視野に障害があり、目が見えにくい、または見えない状態です。メガネやコンタクトで矯正できるレベルではなく、生活に支障が出ているケースが視覚障害に該当します。
先天的な原因としては、網膜色素変性症や未熟児網膜症などがあり、後天的な原因には糖尿病、緑内障などによる視覚障害が挙げられます。
聴覚・または平衡機能の障害
聴覚障害は、耳に何かしらの障害があり、耳が聞こえにくい、または聞こえない状態です。
平衡機能の障害があると、起立や歩行に必要なバランスが維持できなくなります。
三半規管の機能障害や脳の障害などが要因です。
聴覚障害は、先天的な原因のほかに、老人性難聴やメニエール病などによる後天的な原因によるものがあります。
音声機能、言語機能 または そしゃく機能障害
音声機能の障害とは、声を発することが難しかったり、音声・言語での意思疎通に支障があったりする状態です。
そしゃく機能の障害は、口からの飲食が難しく、経管栄養や点滴などの方法で栄養を摂る必要があります。主な原因は、筋肉や神経の障害のほか、傷病により口や咽頭の機能を失うことです。
内部障害
内部障害とは、身体の内部にある器官に障害がある状態です。内部障害には、以下のような疾患があります。
- 心臓機能障害
- じん臓機能障害
- 呼吸器機能障害
- ぼうこう または 直腸の機能障害
- 小腸の機能の障害
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
- 肝臓の機能障害
内部障害は外見から分かりにくく、障害に対する配慮が受けにくい点が特徴です。
身体障害者手帳とは?取得すると受けられる福祉サービス

身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法に定められた障害に該当すると認められた場合、本人からの申請に基づき交付される手帳です。身体障害者手帳を取得した方は、さまざまな福祉サービスを受けられます。
身体障害者手帳を持っていると受けられる福祉サービスは、以下の通りです。
- 自立支援医療制度(更生医療)
- 心身障害者医療助成制度
- 日常生活用具の交付、補装具費用の支給
自立支援医療制度(更生医療)とは、身体障害者の障害を除去・軽減するための治療にかかる費用に対して、支給を受けられる制度を意味します。
心身障害者医療助成制度とは、障害のある方が病院を受診したときの自己負担分を助成する制度です。自治体による制度のため、地域により制度の内容にばらつきがあります。
日常生活用具の交付・補装具費用の支給とは、日常生活を送るのに必要な用具を給付(または貸与)したり、補装具の購入やレンタルに必要な費用を支給したりする制度です。こちらも自治体による制度のため、制度の内容は地域により異なります。
身体障害のある方が選べる働き方とは
身体障害のある方が選べる働き方は、以下の通りです。
- 一般雇用:企業の募集条件を満たせば、誰でも応募できる
- 障害者雇用:身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳のいずれかを持っている方が応募できる
- 就労継続支援A型・B型:一般雇用や障害者雇用での就労が難しい方に対して、就労機会の提供や就労に必要な訓練を行う施設
一般雇用は、募集の条件を満たせば応募できますが、障害の程度・内容によっては配慮が得られにくい場合があります。
障害者雇用は、企業が障害のある方の雇用枠を設けて、採用する制度です。障害者雇用促進法により、職場と障害のある方の相互理解のもとに、障害の特性や状況に合わせた配慮(合理的配慮)を行うことが義務づけられています。
また、コロナ禍以降にテレワーク可能な企業が増えたため、身体障害により通勤が困難な方も働きやすくなりました。
就労継続支援A型では雇用契約を結ぶため、最低賃金が保証されますが、就労継続支援B型では雇用契約を結びません。就労継続支援B型は、身体障害者1級または2級の方の利用が多いのが特徴です。
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身体障害のある方が利用できる就労支援サービス

身体障害のある方が利用できる支援機関は、以下の通りです。
・就労移行支援事業所
・地域障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
・ハローワーク
・転職エージェント
それぞれについて、詳しく解説します。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所では、一般企業への就職を希望する障害のある方に対し、就職に向けたサポートをしてくれます。
例えば、就労に必要な技能を身につけるための訓練や、定着に向けてのサポートを受けられます。障害者手帳を取得していなくても利用できますが、利用するには「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障害のある方への職業リハビリテーションを行っている公的な機関です。障害のある方を対象とした就職相談や職業評価、リワーク支援などのサポートが充実しています。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターでは、就業面と生活面の両面からサポートを行います。また、自立し、安定した職業生活の実現に向けたサポートをしてくれます。障害者手帳を持っていなくても利用可能です。
ハローワーク
ハローワークには、障害のある方向けの相談窓口があります。相談窓口では、専門の資格を持った職員が相談に乗ってくれます。障害者手帳を取得していなくても利用できますが、障害者雇用の求人を紹介してもらうには、身体障害者手帳が必要です。
障害者雇用の求人を幅広く扱っていますが、テレワーク可能な求人を探すのに手間がかかる可能性があります。
転職エージェント
転職エージェントは、転職を希望する方に対して、数多くの求人情報から希望に合う条件の企業を紹介してくれる民間の人材紹介サービスです。職業紹介だけでなく、企業に提出する書類や模擬面接など転職活動全般をサポートしてくれます。
障害のある方専用の転職エージェントもあり、専門のアドバイザーが相談に乗ってくれるため、安心です。特に、テレワークは出勤の必要がなく、身体障害で通勤が難しい方や勤務地が自宅から遠い方でも勤務できるため、就業のチャンスが広がります。
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まとめ
この記事では、身体障害の種類に加えて、利用できる福祉サービスや就労支援サービスについてお伝えしました。身体障害者手帳を取得して障害者雇用で就職すると、障害があることに対して配慮が受けられるなどのメリットがあります。
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これらの情報が、身体障害のある方やその周囲の方にとって、少しでも困りごとの改善に繋がれば幸いです。