最近、大人になってからADHDやASDなどの神経発達症(発達障害)の特性が顕在化し、仕事や生活で困難を感じている方も珍しくありません。仕事でミスが続いてしまったり、人間関係がうまくいかなかったり、更にそのことが原因で強いストレスや不安感を感じ、体調に影響が出てしまう方もいます。この記事では、大人の神経発達症(発達障害)の症状やそこから発展する二次的な障害について深掘りしながら、発達障害特性とどのように向き合い、自己対策ができるかについて探っていきます。
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神経発達症(発達障害)とは
まず神経発達症(発達障害)とは、主にADHD(注意欠如多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)の3つに分類されます。また、それぞれが複合的に合わさった特性を持つ方もいます。
神経発達症(発達障害)のまとめについてはこちらの記事もご参照ください
以前は、子供の頃に「落ち着きがない」「集中力がない」と周囲の人から言われたり、学習についていけないなど、幼少期に症状が顕在化することで神経発達症(発達障害)と診断されることが多くありました。しかし、子供の頃は環境に適応できていたけど、大人になって仕事上で高度なスキルを求められたり、複雑なコミュニケーションが求められる環境になったとき、神経発達症(発達障害)の症状が顕在化することも珍しくはありません。
大人の神経発達症(発達障害)の症状とは
それでは、大人になってから顕在化する神経発達症(発達障害)の特徴について、どのような特性が生活や仕事上の困難に影響しているのかを以下にまとめます。
ケアレスミスが多い、記憶が困難
ADHD特性である注意欠如がある場合、日常生活や学業、仕事において集中力や注意力を維持することが難しくなります。仕事上でよくある困りごととして、ケアレスミスが多い、会議の内容を覚えきれない、タスク漏れが多いなど、注意欠如の特性の影響で困難を感じている可能性があります。
社会的コミュニケーションの困難
ASD特性である社会的コミュニケーションとの相互作用に困難がある場合、周囲の会話に入っていけなかったり、限定的で反復的な行動の傾向により、周囲から理解されずに孤立する場合があります。話を言葉の意味通りに受け取ってしまい、「空気が読めない」と言われることもあるかも知れません。また、曖昧な表現だと理解することが難しく、生活や仕事に影響する可能性もあります。
光や音など感覚に過敏
ASD特性として一般的にも言われているが、光や音、触覚などの感覚に対して過剰に反応し、日常生活において不快感やストレスを引き起こすことがあります。感覚的過敏により満員電車や人混みを苦手と感じたり、社内の光や音や臭いに体力を消耗し、仕事が続けられなくなる方もいます。
感情コントロールの困難
神経発達症(発達障害)には感情のコントロールが難しいという特性があります。怒りやストレスなどの感情が急激に現れることがあり、これが二次的な問題を引き起こす可能性があります。また、外在化して感情が現れなくても、内在化している不安やストレスを持ち続けてしまう方もいます。
このような神経発達症(発達障害)の特性による困難は、二次障害の発生にも関連しています。もちろん個々の経験や症状によって異なるが、これらの特性を理解し、それに基づいて適切なサポートや対策をとることが重要です。
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大人の神経発達症(発達障害)の二次障害とは
神経発達症(発達障害)による二次障害とは、本来の障害特性に加えて、関連するさまざまな問題や生活の中での困難なことを指します。二次障害はそれぞれの特性や症状によって異なり、また神経発達症(発達障害)の方が必ず二次障害を引き起こしているわけでもありません。重要なことは、二次障害が起こる背景を理解し、会社や周囲の人のサポートを得ることにより、二次障害を防ぐことができる可能性があります。
それでは、神経発達症(発達障害)が影響して起こる二次障害の症状を、下記にまとめます。二次障害と一言でいってもさまざまな症状が含まれますが、もしかしたら今あなたが悩んでいる症状に当てはまるかも知れません。
不安や抑うつ
神経発達症(発達障害)の特性や社会的な困難から、不安や抑うつなど内在する部分に症状が生じることがあります。対人恐怖や過敏な感覚により社会性不安障害、気分障害と診断されたり、他者とのコミュニケーションや日常生活の中での困難により心理的ストレスが大きくなり、体力を消耗した結果体調に影響が生じ、抑うつ、うつ病と診断されることも多いです。
攻撃性や挑発的な行動
感情のコントロールが難しいため、怒りやイライラが周囲に対して攻撃的な行動や挑発的な行動に現れることがあります。そのことが原因で職場の人間関係でトラブルを起こすきっかけになったり、離職に繋がる場合もあります。また、そのような攻撃性は他者に向けてだけではなく、自己に対して向けられる可能性もあります。
学業や職場での問題
学習する上で授業のスピードについていけなかったり、コミュニケーションの課題から問題解決ができず学業成績の低下に繋がることがあります。また、職場においても業務遂行能力の低下やコミュニケーションの問題が体調に影響し、休職や離職を繰り返すこともあります。
上記はあくまでも一例にすぎず、神経発達症(発達障害)と二次障害が複雑に絡み合った結果として現れる症状のため、自身の症状については主治医の先生や周囲の人と相談をしてみることをおすすめします。
大人の神経発達症(発達障害)の二次障害を防ぐための対策
以下のポイントを押さえることで、神経発達症(発達障害)による二次障害を防ぐことができたり、症状が安定する可能性があります。
自分の特性を理解する
まずは自己理解を深めることが何よりも重要です。生活や仕事をする上で苦手と感じることを書き出し、更になぜ苦手と感じるのかを深掘りすることで、自分の特性への理解を深めることができます。また、周囲の人からよく言われる言葉を思い出してみたり、診断テストを受けることもおすすめです。
規則正しい生活をする
不安やストレスを感じている時は眠れなくなったり、睡眠不足により二次障害が起こることも多いです。過度な残業や不規則な生活による睡眠不足が原因となる方もいます。毎日規則正しく食事の時間や十分な睡眠をとることで、日々のストレスを軽減することができます。また、眠れない時はリラックスできるグッズの使用もおすすめです。
相談できる人を作る
不安やストレスを一人で抱えていると客観的に物事を考えられなくなり、抑うつ状態になることもあります。専門の支援機関や主治医の先生に相談をしたり、家族や相談できる友人に話をすることで客観的視点からのアドバイスをもらうことをおすすめします。
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まとめ
この記事では、大人になってから神経発達症(発達障害)の特性が顕在化し、生活や仕事で困難を感じている方々に焦点を当ててまとめました。神経発達症(発達障害)への理解と、大人になってからの症状や影響、更には発展して二次障害についても掘り下げてみました。重要なことは、特性への自己理解や自分なりに具体的な対策を見つけ、規則正しい生活や相談できる人を作ることで、生活の中での不安やストレスを軽減することができるでしょう。また、周囲の理解とサポートも欠かせません。自分自身の特性と向きあい、言語化することで周囲の理解を進めることにも繋がります。この記事が、日々の困難から一歩進めるきっかけになれば幸いです。